記事概要
SNSにおける商品情報は、ときに爆発的な流通を見せることがあります。俗にいう「バズる」状態です。バズるためには生活者が自らの共感とともに情報を発信し、それに触れた別の生活者がさらに他の生活者に情報を届ける連鎖反応を起こさなければなりません。
このように、生活者によって語られる生活者自身の物語を「ナラティブ」といいます。本記事では、SNSでのプロモーションに必要なナラティブを生み出すポイントと、PRの全体設計について解説します。
前提知識として、現代SNSのマーケット構造を確認した上でナラティブを正確に理解したい場合は、先に次の2つの記事を読んでみてください。
マーケター目線で確認!情報過多の時代のマーケット構造と生活者行動
生活者による宣伝を設計!最新SNSマーケティングの発信情報の理想形
目次
ナラティブを生み出す2つのポイント
冒頭でも述べた通り、情報流通の連鎖反応を起こすためには、情報が生活者によってナラティブの形式で語られる必要があります。企業から一方的に発信されるストーリー形式の情報は、連鎖反応を起こしにくいのです。
こうしたナラティブを生むためには、次の2つがポイントとなります。
- 企業のブランドに対して生活者が共感を得る要素の把握
- ブランドに共感を得やすい生活者の集まるコミュニティの把握
以下では、それぞれについて詳しく解説していきます。
生活者が共感する要素を可視化する方法
生活者の共感を得られない情報では連鎖反応が起きません。
生活者が共感する要素を可視化するためには、SNS上で次の点を確認していきます。
- 「今まさに起きはじめている」トレンド・課題
- 今後、ユーザーが語りたくなる情報の種
これらの要素は、世の中の情勢やすでに流行った情報に対する反作用と関連しながら、刻一刻と変化していきます。そのため、一定の未来予測をした上で、次にナラティブとして語られる情報を可視化していく必要があります。
また、各コミュニティによってトレンドとなる情報は異なるため、次に紹介する方法で具体的なコミュニティを発見した上で、未来予測を実施しましょう。
情報を投下するコミュニティを発見する方法
ナラティブとして語られる可能性を秘めた情報を見つけても、それを投下するコミュニティが適切でなければ、プロモーションの効果は低下します。次に流行る化粧品を探しているコミュニティに、お酒の情報を投下しても、ユーザーを振り向かせることができないのは当然です。
プロモーションのターゲットとして適切なコミュニティを見つけるためには、「トライブ」という観点が重要になります。トライブは「SNS上に存在する共通した価値観・嗜好性を持つユーザー群」を意味します。
InstagramやX(旧Twitter)の中に明確な仕切りを有するコミュニティはありませんが、フォロー・フォロワーの関係で形成される実質的なコミュニティがあります。それを共通の価値観・嗜好性という観点から分類したものがトライブです。
商品・サービス・ブランドといった情報は、その情報に共鳴する価値観・嗜好性を持つトライブをターゲットとして投下していきます。そうすると、ユーザーが自発的にナラティブとして情報を語る動きを起こしやすいのです。
ナラティブを生む共感PRの全体設計
ナラティブを生むための2つのポイントを理解したところで、続いては、ナラティブの連鎖を見据えたプロモーションの全体設計について確認していきましょう。
全体設計のイメージは上の画像の通りです。以下では、全体設計を適切に行うための3つのポイントを解説します。
共感からコンセプトを設計
先ほど生活者が共感する要素を可視化する方法について解説しました。それにより可視化できた共感要素から、商品・サービス・ブランドのコンセプトとテーマを設計します。すでに商品などがある場合は、共感要素を用いてコンセプトとテーマをブラッシュアップしてください。
例えばオーガニック化粧品ひとつをとっても、「働く女性のための自分へのご褒美」と「肌に優しい普段使いのパートナー」では“魅せ方”が異なります。この魅せ方に、実際にユーザーが共感する要素を絡めていくのです。
情報流通構造を設計
続いて、先ほど紹介したトライブを通して、情報の流通構造を設計していきます。各トライブは、それぞれ構造が異なります。1人の絶対的なインフルエンサーを中心にして、周囲に一般ユーザーのいるトライブもあれば、「インフルエンサー」 → 「準インフルエンサー」 → 「現実社会におけるグループの中心人物」 → 「その他のユーザー」のような階層構造を持つトライブもあります。
そのため、商品の情報を投下する具体的なトライブの構造を織り込んだ形で、情報の流通構造を設計します。
アサインするインフルエンサータイプを設計
多くのトライブにはインフルエンサーが存在し、彼らがユーザーの価値観・嗜好性に大きな影響を与えます。インフルエンサーを大別すると、次の2タイプになります。
具体的なトライブにおける情報の流通構造を設計する際は、上記の2タイプのインフルエンサーの使い分けが重要です。王道としては、はじめにスタイラーを通してユーザーの中に商品への認知を高め、一定の度合いまで関心が高まったところで、ユーザーがレビュアーの投稿に接触できるような設計があります。
2タイプのインフルエンサーに関する詳しい説明と、生活者の購買行動において双方が果たす役割については、こちらの記事も参考にしてください。
生活者の自発的な宣伝「ナラティブ」を生む施策はspiceboxまで
情報過多の時代において商品・サービス・ブランドの認知とコンバージョンを高める情報は、ナラティブの形式で語られなければなりません。生活者の共感要素を可視化し、ターゲットとなるトライブを適切に選択することでナラティブを生むことができます。
そして情報の流通構造の中に、訴求力の高いインフルエンサーを適切に配置できると、商品情報は想像を上回る速度で広がり、多数のコンバージョンにつながります。
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